コレクション Collection

東京都庭園美術館では、建物公開事業に活用するため、旧朝香宮邸やアール・デコ様式との関連を有する美術品や資料を収集・保管しています。このページでは、東京都庭園美術館が収集・保管している美術品・資料等をご紹介しています。
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In its quest to put the Former Residence of Prince Asaka to its best possible use, the Tokyo Metropolitan Teien Art Museum is engaged in creating and maintaining a collection of artworks and documents pertaining to Art Deco and the Residence itself. The Collection is a database listing the materials and artworks in the Museum’s collection.

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作品情報Identification
  • 作品名 Title :

    蓋付壺《ラパンNo.21》

    Covered vase, form Rapin 21

  • 作者 Artist :

    アンリ・ラパン、セーヴル製陶所(窯)
    Henri Rapin, Sèvres(kiln)

  • 制作年 Date :

    デザイン:1925年頃/制作:1927年
    c.1925(design), 1927(made)

  • 寸法 Dimensions :

    50㎝

  • 収蔵番号 Collection Number :

    2001-0305-01

  • 数量 :

    1

  • 素材技法 :

    磁器

  • タグ :

    1920年代 / アール・デコ / 陶磁器

作家解説

■ アンリ・ラパン(Henri Rapin, 1873‒1939)
画家、室内装飾家、デザイナー。フランス・パリ生まれ。国立美術学校で新古典主義の画家ジャン=レオン・ジェロームに師事し、1898年よりフランス芸術家協会のサロンに絵画を出品していた。1900年頃には家具や装飾品を出品しはじめ、次第に装飾芸術の世界でその才能を発揮するようになる。建築、室内装飾、家具、壁画、ステンドグラス、陶磁器など幅広い分野で、贅沢な素材と細やかな技巧、豊かな色彩を特徴とするラパンのスタイルが注目された。1920‒34 年にかけて国立セーヴル製陶所の芸術顧問、および装飾美術家協会の副会長に就任。1925年のアール・デコ博覧会では、《フランス大使館》や《国立セーヴル製陶所》など、数々のパヴィリオンの企画やデザインを担当した。朝香宮邸では、大広間、大客室、小客室、次室、大食堂、殿下書斎および居間の全7室の内装デザインを手がけている。仕事仲間であった同時代の作家たちの作品を効果的に取り入れながら、自らも壁画を描き、「香水塔」や家具をデザインするなど、調和のとれたアール・デコの空間を創り上げた。

 

■ セーヴル製陶所(Sèvres)
フランスの旧王立窯。1740年頃設立のヴァンセンヌ窯を前身とする。1745年国王ルイ15世より磁器製造の許可を得、ポンパドゥール夫人の応援で手厚い庇護をうけた。1756年セーヴルに移転。王制廃止後も政府の管理下に留まる。1876年セーヌ湖畔の現在の場所に移り拡張。アール・デコ期には、ジョルジュ・ルシュヴァリエ=シュヴィニャールを所長として、装飾美術家アンリ・ラパンを芸術監督に招くなど、外部アーティストのコラボレーションを通じた芸術改革がすすめられた。技術面では、従来の硬質磁器に加え、新硬質磁器、炊器、軟質磁器(ファイアンス)の活用や、珪酸質磁器の採用による軟質磁器の復活など、素材の多様性が顕著に造形と色彩の幅を広げた。リュールマンやラリックら一流の装飾芸術家がセーヴルに協力した。

作品解説Descriptions

蓋付の大振りの壺で、表面にかけられた青の釉薬が焼成によってなだれることで、独特の色や肌合いの変化を作り出している。作者のラパンは、1928~34年にかけてセーヴル製陶所の美術監督を務めており、多くの器形デザインを行っている。作品タイトルの《ラパンNo.21》は、ラパンによるNo.21のフォルムの意を差しており、同形で異なる装飾や絵付けが施された作品が存在する。

文献歴Bibliography

『アール・デコ様式のセーヴル磁器』東京都文化振興会、1993年。
『アール・デコ様式:朝香宮が見たパリ』東京都庭園美術館、2003年。
『アール・デコ光のエレガンス展』汐留ミュージアム他、2012年。

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