コレクション Collection

東京都庭園美術館では、建物公開事業に活用するため、旧朝香宮邸やアール・デコ様式との関連を有する美術品や資料を収集・保管しています。このページでは、東京都庭園美術館が収集・保管している美術品・資料等をご紹介しています。
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In its quest to put the Former Residence of Prince Asaka to its best possible use, the Tokyo Metropolitan Teien Art Museum is engaged in creating and maintaining a collection of artworks and documents pertaining to Art Deco and the Residence itself. The Collection is a database listing the materials and artworks in the Museum’s collection.

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作品情報Identification
  • 作品名 Title :

    小卓子(テーブル)

    Small table

  • 作者 Artist :

    設計:水谷正雄(宮内省内匠寮工務課)、制作:小澤隆江(小澤慎太郎商店)
    Mizutani Masao from The Construction Bureau of the Imperial Household Ministry and Ozawa Takae from Ozawa Shintaro shop

  • 制作年 Date :

    1932年頃
    c.1932

  • 寸法 Dimensions :

    67.0×ø65.0㎝

  • 収蔵番号 Collection Number :

    2000-0331-01

  • 数量 :

    1

  • 素材技法 :

    木材(カバサクラ)

  • タグ :

    1930年代 / アール・デコ / 朝香宮邸 / 調度 / 木工

作家解説

■宮内省内匠寮工務課(Kunai-sho Takumi-ryo Koumu-ka)
内匠寮は、宮内省所管の建築から庭園、土木までの設計管理を司る部署で、朝香宮邸の設計と管理を行った。この時期の工務課は課長の北村耕造(1877‒1937)のもと、建築係、土木係、庭園係、機械係に分かれており、技師と各係の技術者は合わせて100名を超えていた。朝香宮邸の建設では基本設計を洋行帰りの建築係技師、権藤要吉(1895‒1970)が担当した。彼らは秩父宮邸(1927竣工)、李王家邸(1929竣工)、 高松宮邸(1931竣工)なども手がけている。

 

■水谷正雄(Mizutani Masao, 1905-1975)
1905年(明治38)生まれ。1926年(大正15)に京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)を卒業し、同年内匠寮に入る。朝香宮邸では技手として照明や家具のデザインを担当した。戦後は、日本橋高島屋装飾部で家具デザインを担当した。

 

■小澤慎太郎商店(Ozawa Shintaro Sho-ten)
1891年(明治24)に創立した高級洋家具店で、兼房町(現・新橋二丁目)に本店および工場を構えていた。当時洋家具のメッカと呼ばれた東京芝にあり、この地域の家具は「芝家具」と呼ばれていた。1910年の日英博覧会では、自ら室内装飾模型の出品を行うとともに、赤十字社や海軍省等の出品に際して室内装飾を請け負い、大賞牌を受賞している。

作品解説Descriptions

朝香宮邸二階、若宮寝室に置かれていた丸茶卓子。甲板と中棚、台座は円形、それらを長方形の四枚の縦板が貫く構造となっている。主材はカバサクラで、甲板は挽板張となっている。塗装は染色ラッカー仕上げである。
朝香宮邸では、竣工に際して各部屋に合わせて設計・制作された家具が複数ある。『朝香宮邸新築関係費書類』によれば、本作は宮内省内匠寮工務課の技手であった水谷正雄によって、当初若宮居間用に設計された。ただし、竣工後に撮影された写真では若宮寝室に置かれていたことが分かっており、部屋を移して使用されたものと考えられる。

文献歴Bibliography

『旧朝香宮邸のアール・デコ』東京都庭園美術館、1996年。
『アール・デコ建築意匠 朝香宮邸の美と技法』鹿島出版会、2014年。

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