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旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる

旅に出たい。ここではないどこかへ行きたい。
移動の自由が制限された2年半、世界中の人々が旅を諦めました。
この期間中に旅への想いが募り、自分の中の旅願望に気付いた人も少なくないでしょう。
いったい旅とはいかなるものなのでしょう。

本展はこうした問いの行方を、他者の旅を手がかりに、再考するための“旅のアンソロジー”です。
イントロダクションとなるのは、庭園美術館の本館建築に大きな影響を与えた朝香宮夫妻の100年前の欧州旅行です。
1920年代の旅風景を美術工芸品と資料によって描き出します。
それに続き、ある個人コレクターの鉄道資料蒐集の旅、そして現代アーティストたちによる旧朝香宮邸をめぐる作品を、
建築空間を生かしたインスタレーションによって紹介します。
それぞれの旅に潜む物語は、もはや旅が旅人だけのものではなく、受け取る側のあなたと共有され、
想像の中で経験されることを待っていると言えるでしょう。
だれかの旅は、“いつかわたしの旅になる”。

展覧会で出会う旅が、想像を膨らませるきっかけとなり、あなたの新しい旅を切り開く第一歩になりますように。

〈出展作家〉相川勝/栗田宏一/さわひらき/福田尚代/宮永愛子/evala(五十音順)
カッサンドル/髙田賢三 他

展覧会基本情報

展覧会名

旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる

会期

2022年9月23日(金・祝)-11月27日(日)

会場

東京都庭園美術館(本館+新館)
東京都港区白金台5-21-9
ハローダイヤル 050-5541-8600

休館日

毎週月曜日(ただし10月10日は開館)、10月11日(火)

開館時間

10:00–18:00(入館は閉館の30分前まで)
※11月18日(金)・19日(土)・25日(金)・26日(土)のみ10:00-20:00(入館は19:30まで)

観覧料

オンラインによる日時指定制です。
ご購入・ご予約はこちらから

チケット料金表
一般 当日1,400円 団体(1,120円)
大学生(専修・各種専門学校含む) 当日1,120円 団体(890円)
中学生・高校生 当日700円 団体(560円)
65歳以上 当日700円 団体(560円)

*( )内は団体料金。団体は20名以上(事前申請が必要)
*小学生以下および都内在住在学の中学生は無料
*身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料(手帳の提示をお願いします)
*教育活動として教師が引率する都内の小・中・高校生および教師は無料(事前申請が必要)
*シルバーデーおよび家族ふれあいの日の割引については、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、当面の間休止としております


主催

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館

協力

公益財団法人日本交通公社 旅の図書館

年間協賛

戸田建設株式会社
ブルームバーグ L.P. Bloomberg
Van Cleef & Arpels



本展の見どころ

  • Ⅰ.100年前の旅人 朝香宮のグランドツアー

    フランスへの旅立ちに始まった朝香宮夫妻の軌跡を、「旅の果実」として展覧会のイントロダクションに据え、100年前の旅へとご案内します。

  • Ⅱ.集めることは旅すること あるコレクターの物語

    旧朝香宮邸が誕生した20世紀前半の鉄道関連資料を蒐集する、コレクターの居間を再現展示します。

    中村俊一朗所蔵 courtesy of Kiya Gallery

  • Ⅲ.現代アーティストによる旅の風景

    現代美術の作家たちの作品を本館と新館に配し、作家独自の視点で語られる旅のかたちから、いつかまた出会う新たな旅路へと誘います。

    さわひらき 《dwelling》2002年 ⒸHiraki Sawa

    〈現代アーティスト〉相川勝/栗田宏一/さわひらき/福田尚代/宮永愛子/evala(五十音順)

関連プログラム

  • 会期中に開催されるプログラムは随時追加される予定です。
    詳細は決まり次第、こちらのページでお知らせします。

  • 事前申込制定員を超過した場合には抽選

    障害のある方対象
    アート・コミュニケータとめぐる庭園美術館

    2022年10月24日(月)
    〈午前の部〉10:30~12:00 〈午後の部〉13:30~15:00

    申込期間:2022年9月1日(木)10:00 ~ 9月14日(水)17:00

    対象・定員:身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳などをお持ちの方
    各回10名とその介助者(1名まで)

    参加費:無料

    詳細・お申し込みはこちら

  • 事前申込制定員を超過した場合には抽選

    ベビーといっしょにミュージアムツアー

    2022年11月21日(月) 11:00~12:00

    申込期間:2022年10月19日(水)10:00 ~ 10月26日(水)17:00

    対象・定員:ベビーカーに乗る年齢・月齢の赤ちゃんとその保護者10組(保護者は2名まで)

    参加費:無料(※別途、展覧会観覧料が必要です)

    詳細・お申し込みはこちら

  • 先生のためのプログラム「ティーチャーズウィーク」

    2022年9月27日(火)~10月5日(水)
    ※10月3日(月)は休館日のためご参加いただけません。

    対 象:都内の小・中・高等・特別支援学校の先生方

    参加費:無料(※参加申請書が必要です)

    詳細はこちら

ギャラリートーク【期間限定公開】11月27日(日)まで

※動画の録画・録音・撮影・印刷や画面をスクリーンショット等でキャプチャーする行為、また無断転用・複製は一切禁止いたします。

出品作家(五十音順)

  • 相川勝 Masaru Aikawa

    1978年ペルー共和国生まれ。2004年多摩美術大学メディア芸術学科卒業。東京都在住。
    われわれを取り巻く複製画像やデジタル情報が、人間の感覚や意識に及ぼす影響に関心を寄せ、リアルとヴァーチャルの境界域を問う作品制作を続ける。
    このコロナ禍においては、マッターホルンやK2など地図上で見つけた世界の絶景スポットを、一般に公開されている衛星写真と地形データを用いて三次元のCGデータに変換し、自ら構築した仮想空間を自宅にいながら巡り歩いた。
    本展では幼い頃に家族と旅したペルーのパンアメリカン・ハイウェイを、2022年に再訪するCG映像を公開する。30年以上の時を超えて、日本から15000キロ以上も離れた思い出の地へ。肉体の移動を伴わない旅が始まる。

    相川勝《〈K2を登る〉より》2021年

    相川勝《イスタンブール,トルコ/〈ポストカード〉より》2013年

  • 栗田宏一 Koichi Kurita

    1962年山梨県生まれ。山梨県在住。
    20代半ばからバックパッカーとして世界各地を旅して回り、各地の風土の中に身を置くことにより、人間と自然に対する思考を深める。1990年頃より自分の足下にある土の多様性に着眼し、日本各地を訪ね、一握りの土を採集するソイル・ライブラリー・プロジェクトを開始する。
    採取した土の本来の色を生かし、造形的に加工することなく床一面に並置されるインスタレーションには、旅の経験から得た、この世界の多様性と各個体がもつ固有性に対する畏敬の念が込められている。
    本展ではインスタレーションとともに、2021年11月から現在に至るまでの約300日の日々の土採取を記録する絵葉書シリーズを発表する。

    栗田宏一《SOIL LIBRARY》2020年 山梨県立美術館での展示風景 撮影:栗田かず子

  • さわひらき Hiraki Sawa

    1977年石川県生まれ。ロンドン大学スレード校美術学部彫刻科修士課程修了。ロンドンと金沢を拠点に制作。
    日常の見慣れた光景の中に、飛び交うジェット機や動き回る不思議な生き物などそこには存在しないはずの要素を持ち込み、懐かしさと非現実感が共存するような映像世界を生み出す。映像の中に散りばめられた様々なモチーフや、その一つ一つが作り出す繊細な動きは、鑑賞者の中に眠っていた過去の映像記憶を呼び覚まし、さわの映像の向こうに、自らの内面世界を見るような深い鑑賞体験をもたらす。
    本展では、旧朝香宮邸内を自身で撮影した実写映像を作品に組み込み、本館大食堂のアール・デコ空間の中で、インスタレーションとして展示を行う。

    さわひらき《dwelling》2002年 © Hiraki Sawa

    さわひらき《幻想考》2021年 奥能登国際芸術祭での展示風景
    撮影:木奥惠三

  • 福田尚代 Naoyo Fukuda

    1967年埼玉県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。埼玉県在住。
    文字や言葉を独自の感覚と思考で捉え、その世界観を自分の身近にある本や文房具に、手作業を加えることで作品化する。こうした制作と並行して回文(始めから読んでも終わりから読んでも同じ文章)の詩作も手掛け、発表を続けている。
    本展では、2003年から着手された代表的な本のシリーズ「翼あるもの」を、旧朝香宮邸の書庫、書斎、殿下居間にあたかも鳥が群れをなすように展示を試みる。
    福田よって1頁1頁と折りたたまれ、最後に本の中から偶然に立ち現れる1行の文字。その短い言葉は、見る者の思考や経験と繋がり、それぞれの脳裏の中で彼方へと羽ばたく。

    福田尚代《翼あるもの『青い鳥物語』》2022年
    © Naoyo Fukuda.Courtesy of Yukiko Koide Presents

    福田尚代《翼あるもの『アンの婚約』》2003-2010年
    © Naoyo Fukuda.Courtesy of Yukiko Koide Presents

  • 宮永愛子 Aiko Miyanaga

    1974年京都府京都市生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。京都市在住。
    常温に置くと気化するナフタリンや川で採取した塩など、周囲の影響を受けやすい素材を用い、その特性を生かし、時間と共に形が変容してゆく作品を発表する。
    本展では、旧朝香宮邸の時が凍結したような歴史的空間に、現実に流れる時間や光を招き入れ、過去と現在が交錯するインスタレーションを試みる。
    旅とは予測のつかない変化の中に身を委ねること。「変わりながらもあり続ける世界」を視覚化する宮永の作品は、私たちの日々もまた旅の途上にあることを思い起こさせる。

    宮永愛子《夜に降る景色 -時計-》2010年 写真:宮島径
    © MIYANAGA Aiko,Courtesy of Mizuma Art Gallery

  • evala

    1976年京都府丹後生まれ、東京都在住。
    音楽家、サウンド・アーティストとして立体音響システムを駆使した先鋭的な作品を国内外で発表し、2016年からは新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」を開始する。
    2020年には完全な暗闇の中で"耳で視る"という感覚をもたらす音だけの映画『Sea, See, She – まだ見ぬ君へ』を初上演し、人間の知覚システムの可能性を拓く表現に挑む。美術館や公共空間における実験的なサウンド・インスタレーションの他にも、舞台や映画など幅広くサウンド・プロデュースを手掛けている。
    本展ではevalaが世界中で長年録り集めた音源を用いて、まるで生き物のように飛び交う音に包み込まれる幻想的な時空間を立ち上げる。音を通してそれぞれの景色が立ち上がる不思議な旅物語が始動する。

    evala《-a》2021年 photo by Harumi Shimizu