科学的視点と美しさを併せ持つ、ボタニカルアートの華麗なる世界
英国王立植物園「キューガーデン」はユネスコ世界遺産に登録され、22万点を超えるボタニカルアートを所蔵する世界最大級の植物園です。
はじまりは、1759年にジョージ3世の母であるオーガスタ皇太子妃がロンドン南西部に造った小さな庭園でした。ジョージ3世とシャーロット王妃の時代にその規模を飛躍的に広げ、当時ヨーロッパを席巻していた啓蒙思想などを背景に、研究機関としての整備も進みました。
本展では、18~19世紀に制作されたキューガーデン所蔵の貴重なボタニカルアートコレクションのほか、シャーロット王妃が愛し、王室御用達となったウェッジウッド社など陶磁器の数々を展示します。時代が大きく変革していく中で、英国において自然科学や植物画がどのように発展し、どのような歴史的背景を歩んできたのか、変遷をたどります。
精緻な描写による科学的視点と、目を奪われるような美しさが共存するボタニカルアート。世界中から集められた色とりどりの花々に囲まれるこの機会をどうぞご堪能ください。
ユネスコ世界遺産 キュー王立植物園
キュー王立植物園は、キューガーデンの愛称で親しまれ、ロンドンの南西部テムズ河畔にある世界を代表する植物園です。広さ132ヘクタールにおよぶ園内には、3万種以上の植物および約1万4000本の樹木が植えられています。
同園の歴史は古く、ジョージ3世の母親であるオーガスタ皇太子妃によって1759年に設立されました。その後、面積を拡張するとともに世界各地から様々な植物を収集していきました。現在のキューガーデンは世界的な観光地である一方、植物と菌類の科学的分野で世界をリードしている研究機関でもあります。
2003年には、多様な植物コレクションのみならず、造園技術の歴史と発展における多大な貢献が評価され、ユネスコ世界遺産の指定を受けました。 https://www.kew.org