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庭園の四季シリーズ「庭園美術館 秋の写真絵本づくり ―写真を撮って絵本をつくろう―」

イベント 活動報告ブログ

東京都庭園美術館では、公式SNS上で「庭園の四季シリーズ」と題し、季節ごとの庭園の情報発信を行っています。

今回は、当シリーズのリアル開催イベントとして、四季の移ろいの中でも最も美しい「秋」の庭園の様子を、インスタントカメラで撮り、その写真を用いた手のひらサイズの写真絵本づくりを実施しました。


東京都目黒区に絵本のお店を構える、ニジノ絵本屋のいしいあやさん(以下、いしいさん)をワークショップの講師にお招きして、小学生とその保護者の皆さん19名にご参加いただきました。

講師のいしいあやさんが立って挨拶をしているところ
ニジノ絵本屋のいしいあやさん

本ワークショップは、「インスタントカメラ」で写真をとり、出来上がったその写真を小さな絵本にまとめるというものでした。自分だけのミニフォトブックを作って、庭園の秋の様子をお家に持ち帰ってもらいたいなと思い企画した本ワークショップ。秋の庭園は実り豊かで、ご参加の皆さんも、思い思いの場所で写真を撮っていました。

西洋庭園のイチョウ
西洋庭園のカキノキ
芝庭のハツユキカズラ

初めてインスタントカメラを使ったお子さんも多く、手軽にスマホで写真を撮れるようになった今、写真を現像するという行為自体が驚きの様子でした。

インスタントカメラから出てきた写真ファイルをみる親子
インスタントカメラからフィルムを取り出す子供

写真を撮った後、絵本制作に入る前に、ニジノ絵本屋・いしいさんが、秋にぴったりの絵本を読み聞かせしてくれました。

しもかわらゆみ作「ポコタのきのみ」を読み聞かせするいしいさん
真剣に聞き入る子供たち

森にいる食いしん坊のたぬきのポコタが、冬支度のためにきのみを集めようとすることから始まるこの物語。実は当館の庭園にも、たぬきやテンが時折現われます。運がよければ出会うことができるかもしれません。


さて、さっそく絵本の制作にとりかかります。まず始めは、絵本の設計図から考えました。

絵本の設計図
撮った写真を設計図に当てはめていく様子

表紙はどの写真を当てはめようか、どのような物語にしようか、撮った写真と照らし合わせながら、絵本の構成を考えていきます。

今回は、手のひらサイズの絵本ができる、製本キットを活用しました。ミニサイズですが、本物の絵本制作の流れと同様に作ることができます。一冊の絵本が、どのように出来上がっていくのか、保護者の皆さんも興味深々でした。

手引きを見ながら絵本を制作する様子
親子で協力して制作している様子

約1時間ほどかけて、世界に一つだけの絵本が完成しました。

出来上がった絵本を手にして笑顔の子供たち

本ワークショップは、小学生を対象として実施しましたが、大人の皆さんからも「ぜひ参加したい!」という声が多数ありました。今後の展望として、参加できる方々の枠を広げつつ、「庭園の四季シリーズ」と題しているので、庭園美術館の春夏秋冬、季節ごとの庭園の様子を、絵本シリーズとして制作いただきたいです。ご参加の皆さん自身がその絵本の作者、そして物語の主人公となって作ることができるように、継続して開催を目指すことが目標です。

世界に一冊だけの絵本を、ぜひ作ってみましょう!

撮影:牧一世、執筆:斉藤音夢(東京都庭園美術館 学芸員)


庭園の四季シリーズ「庭園美術館 秋の写真絵本づくり ―写真を撮って絵本をつくろう―」

日時2023年12月2日(土)13:30~16:00(受付開始13:15~)
場所東京都庭園美術館 庭園、新館ギャラリー2
講師ニジノ絵本屋代表 いしいあや
参加人数9組19名
参加費無料(ただし、保護者は展覧会観覧料1,400円が必要)
撮影協力牧一世