講演会「ヴィクトリア&アルバート博物館における日本の明治七宝コレクション」
講演会「ヴィクトリア&アルバート博物館における日本の明治七宝コレクション」
並河靖之の七宝作品は、海外の万国博覧会にも数多く出品され大人気を博しました。浮世絵の名品の多くが欧米の美術館のコレクションになっているのと同様に、明治期の工芸作品も世界中の美術館やコレクターのもとにあります。今回の展覧会でも、並河靖之を語る上で欠かせない作品を、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館からお借りしています。
本講演会では、同館アジア部門のシニア・キュレーターであるグレゴリー・アーヴィン氏をお招きし、西洋から見た日本の 七宝の魅力についてをお話しいただきます。
講師からのメッセージ
有線七宝の技術は、1850年代末以降、日本の産業の中でもっとも成功した分野の一つでした。ヴィクトリア&アルバート博物館には、1867年パリ万国博覧会で購入した2点を含む日本の七宝の歴史的なコレクションがあり、さらに2011年には寄贈により100点近くもの有線七宝作品が加わって、日本のもっとも精緻な美術であり、明治期の輸出工芸品の代表格でもある七宝の全体像を示すことができるようになりました。
この講演会では、ヴィクトリア&アルバート博物館の所蔵品の中から、建築の装飾建具(襖の引き手や釘隠しなど)や17世紀後半の刀装具(鍔など)、七宝技法のルネッサンスともいうべき1840年代から黄金期である19世紀後半まで、幅広い七宝作品をご紹介し、その中での並河靖之の位置づけをお話したいと思います。
―グレゴリー・アーヴィン
2017年1月14日(土) 14:00−15:30(開場13:30)
会場:新館ギャラリー2
講師:グレゴリー・アーヴィン(ヴィクトリア&アルバート博物館、シニアキュレーター)
*逐次通訳がつきます
事前申込不要・無料(ただし会場が美術館内のため「並河靖之七宝展」鑑賞チケットは必要です)
定員:100名
*本プログラムは事前予約不要ですが、車椅子をご利用の方はスペース確保のため、事前にご連絡ください。
*聴覚障害のある方には、スタッフがタブレット端末で要約筆記を行います。1週間前までに下記のお問い合わせ先にメールでお申込ください。
お問合せ先
東京都庭園美術館 事業企画係 「並河靖之七宝展 講演会」担当
Tel 03-3443-0201 Fax 03-3443-3228
E-mail:info@teien-art-museum.ne.jp
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2017年1月14日(土)–4月9日(日)
講師紹介
- グレゴリー・アーヴィン
(Gregory Irvine) ヴィクトリア&アルバート博物館のアジア部門シニアキュレーター。武具甲冑や有線七宝を含む日本の金属工芸コレクションを主に担当。近年は19世紀末から20世紀初頭にかけての日本の七宝作品のイギリスやヨーロッパ諸国における受容を研究している。