「植物学に対する私の愛をわかっていただければ、私の作品についてもっと多くを理解していただけることでしょう」
―美術評論家エミール・ハノーヴァーに宛てたガレの書簡より
ヨーロッパの19世紀末を彩る装飾様式「アール・ヌーヴォー」。その立役者の一人であるエミール・ガレ(1846-1904)は、花や昆虫など自然をモチーフとした作風で知られ、陶芸・ガラス・木工家具の3分野で活躍し、1889年と1900年のパリ万国博覧会でグランプリの栄誉に輝いたアーティストでした。彼は、自然の描写を通して抽象的な概念を表現することで、ガラスや木工家具を単なる装飾ではなく、哲学的な世界観を表す芸術作品へと昇華させたのです。
その背景にあったのは、植物学への情熱でした。彼は2,500~3,000種の植物を育てていた広大な庭や豊かな自然の中で、つぶさに植物を観察して論文を書き、種の進化やライフサイクルに強い関心を寄せていました。本展では、「もっとよく植物を観察せよ!」というガレの気迫を伝えるデザイン画(オルセー美術館所蔵)とともに、植物に魅せられた一人の男がその生命や象徴性を追究した表現として、ガレの作品を紹介します。
会期:
2016年1月16日(土)–4月10日(日)
会場:
東京都庭園美術館(本館・新館)
休館日:
第2・第4水曜日(1/27,2/10, 2/24, 3/9, 3/23)
開館時間:
10:00–18:00
*ただし3月25日(金)、26日(土) 、4月1日(金)、2日(土)、8日(金)、4月9日(土)は夜間開館のため20:00まで
(いずれも入館は閉館の30分前まで。)
観覧料:
一般:1,100(880)円
大学生(専修・各種専門学校含む):880(700)円
中・高校生・65歳以上:550(440)円
( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。
小学生以下および都内在住在学の中学生は無料。
身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者一名は無料。
教育活動として教師が引率する都内の小中・高校生および教師は無料(事前申請が必要)。
第3水曜日(シルバーデー)は65歳以上の方は無料。
前売り券e+(イープラス)にてオンライン販売いたします。 http://eplus.jp
主催:
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館、東京新聞
後援:
在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、
公益財団法人日仏会館、日本ガラス工芸学会
特別協力:
公益財団法人北澤美術館、オルセー美術館
協力:
エールフランス航空/KLMオランダ航空
年間協賛:
戸田建設株式会社
上段左から:《脚付杯 ひなげし》 被せガラス、マルケットリー、手彫り、脚台熔着 年記1900年(1900年パリ万国博覧会出品作)/《花瓶 においあらせいとう》 被せガラス、マルケットリー、手彫り 1900年/《花瓶 茄子》 黄斑入りガラス、マルケットリー、頸部熔着、手彫り 1900年(1900年パリ万国博覧会出品モデル)/《蜻蛉文受皿》 スモーク・ガラス、エナメル彩、金彩、金属箔挿入 1878ー1889年
中段左から:《花瓶 木立》 被せガラス、マルケットリー、アプリカッション、手彫り、パチネ 1901-1904年/《ひとよ茸文花瓶》 被せガラス、サリッシュール、マルケットリー・アンテルカレール、アプリカッション、石英粉挿入、手彫り 1900-1904年/《花瓶 松》 被せガラス、アプリカッション、手彫り、マルケットリー、本体と台部を熔着、パチネ 1903年頃/《蘭文八角扁壷「親愛」(カトレア)》 被せガラス、サリッシュール、アプリカッション、手彫り 年記1900年(1900年パリ万国博覧会出品モデル)
下段左から:《デザイン画「脚付杯 ひなげし」》 紙に鉛筆、水彩 1900年頃 オルセー美術館蔵<★>/《デザイン画「蜻蛉文受皿」》 紙に鉛筆、水彩 1878-1889年 オルセー美術館蔵<★>
★以外のすべての作品:北澤美術館蔵 ★:©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
ページ上部:《デザイン画「脚付杯 ひなげし」》(部分) 1900年頃 オルセー美術館蔵<★>/《脚付杯 ひなげし》(部分) 1900年(1900年パリ万国博覧会出品作)