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木版画摺り体験 第1弾「庭園美術館の文様で和綴じ本づくり」ワークショップ

展覧会関連プログラム 活動報告ブログ

2024年度東京都庭園美術館インターンシップ生による記事です。

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この夏、「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」関連プログラムとして、木版画摺り体験 第1弾「庭園美術館の文様で和綴じ本づくり」ワークショップを実施しました。版画家の佐竹宏樹さんをワークショップの講師としてお招きし、木版画や夢二に興味を持つ20名の方々にご参加いただきました。第1弾の今回は、日用品の美しいデザインで愛されている夢二の作品にちなみ、木版画日本の伝統的な製本技術である和綴じ本づくりに挑戦しました。

講師による制作の手順説明

最初にYUMEJI展の担当学芸員の鶴三慧さんから、旧朝香宮邸内に施された文様の説明を受けました。本ワークショップの特徴は、表紙に木版画摺りで当館の文様を施すことができる点です。これにより、伝統的な和紙の風合いや感触の違いを感じながら、自分だけの和綴じ本を制作することができます。

講師と学芸員による制作するモチーフの説明

旧朝香宮邸である当館は、細部に至るまで非常に丁寧に作られています。館内の素敵な文様を本に仕立てて持ち帰ることで、夢二の愛した日常品の美しさを感じる貴重な体験となります。

講師の写真

では、木版画の制作からスタート!絵が施された版木にインクを塗り、ブラシで均一に伸ばします。そこに和紙を乗せ、「バレン」を使って擦ります。3~4つの版を摺るため、集中力が必要なプロセスです。

全ての版を摺り終えたら、乾かします。

最後に、和綴じにチャレンジ。先ほど刷った絵は厚紙に貼り付け、本の表紙として使います。表紙と中の紙をあわせて重ね、クリップで2か所をとめておきます。

厚みがあるので、糸を通す前に紙に穴を開けます。そして、針と糸で紙を綴じます。

多くの参加者にとって材料は初めて見るものばかりでしたが、今回のワークショップでは初心者でも木版画や製本を楽しむ機会ことができ、佐竹先生の詳しい説明を受けながら、3時間かけてようやく手作りの本が完成しました。

初めて会う人と共に作品を制作するワークショップは、新たな交流とつながりが生まれる場となりました。今後も当館の建物や庭園をテーマに、みんなに楽しんでいただけるワークショップを企画していきたいです。

執筆:バスマノワ・クセニア(東京都庭園美術館 インターン)

木版画摺り体験 第1弾「庭園美術館の文様で和綴じ本づくり」ワークショップ

日時2024年8月4日(日)13:30~16:30
場所東京都庭園美術館 新館 ギャラリー2
対象中学生以上の方
講師佐竹宏樹(版画家)
参加人数18人
版木制作:室園舞
協力:株式会社 榛原 -はいばら-