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トークイベント「“香水塔”を未来につなぐ:修復家からのメッセージ」

展覧会関連プログラム

トーク「“香水塔”を未来につなぐ:修復家からのメッセージ」

トークイベント「“香水塔”を未来につなぐ:修復家からのメッセージ」

東京都庭園美術館の展示室に足を踏み入れると、まず目に入る白磁のオブジェ、“香水塔”。宮邸時代に香水の香りを漂わせたというエピソードと共に愛される当館のシンボル的存在で、美術館のロゴもこの“香水塔”をモチーフにしています。
実はこの“香水塔”、大きくひび割れがあり修復をしたことがありましたが、2012年からの改修工事の際に調査をしたところ、以前よりも細かくひびが入ってしまっていることがわかりました。前回の修復時の補強層が内側にありましたが、そのままにしておくと大きな損傷につながる恐れもあるため、すべての補強層や古い接着剤を除去し、一度分解しました。そして新たに接合面を樹脂で接着しなおした後で、再度補強を裏面に施すという修復作業が行われたのです。接合部分は綿密に色合わせをし、見てもほとんどわかりません。
このプログラムでは、実際に修復作業を行った工房いにしへの佐野智恵子さんをお招きし、修復の手順やポイントについて教えていただきます。磁器に限らず、美術作品の修復の技術や思想は、20年30年前とは大きく変わってきていますが、“香水塔”も以前の修復時とは全く異なる手法で修復されています。そのあたりのことも伺いながら、文化財を未来に手渡していく意義について、一緒に考えたいと思います。

2015年9月13日(日) 15:00~17:00(開場14:30)
会場:東京都庭園美術館 本館中三階スタジオ
講師:佐野智恵子(磁器修復家・工房いにしへ)

参加費:無料(ただし「アール・デコの邸宅美術館」展の入館料が別途必要)
定員:25名

申込方法:
お申込みは締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。

お問合せ先
東京都庭園美術館 事業企画係 「修復家からのメッセージ」担当
Tel 03-3443-0201 Fax 03-3443-3228
E-mail:info@teien-art-museum.ne.jp

関連展覧会

アール・デコの邸宅美術館 建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS

講師紹介

佐野智恵子(さの ちえこ)

一橋大学経済学部卒業後、渡英。サザビース・エデュケーショナル・スタディーズにて美術史を学ぶ。その後、陶磁器の修復・保存を学ぶため ウェストディーンカレッジへ。セーラ・ベイカー氏のもとで2年の修業を経て、2000年に帰国。名古屋と東京に工房をもつ。

佐野智恵子