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館長講座「私の愛した世界の美術5選」 第3回:内藤春治《壁面への時計》

イベント

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館長講座「私の愛した世界の美術5選」

東京都庭園美術館は、この3月に全ての改修工事、整備等が完了し総合開館しました。みなさまにもっと美術館に親しんでいただくため、下記のとおり、当館の樋田館長による「館長講座」を開催することとなりました。今年度は「私の愛した世界の美術5選」と題して、5回行いますが、それぞれの回に単独で受講していただくこともできます。場所は正門横のレストラン デュ・パルクで行います。午後のひととき、緑に囲まれたレストランの寛いだ雰囲気の中で、世界の美術に想いを馳せてみませんか?是非ご応募ください。

1回:
終了しました。
2018年6月6日(水)
ジョルジュ・スーラ《グランド・ジャット島の日曜日》

1884-86年制作、油彩、シカゴ美術館蔵
8回印象派展(1886年、最終回)出品

2回:
終了しました。
2018年8月1日(水)
ドナテッロ《ガッタメラータ将軍騎馬像》

1453年制作、ロストワックス技法
サンタントーニオ・ダ・パードヴァ聖堂前サント広場、パドヴァ

1453年制作、蝋型鋳造、パドヴァのサンアントニオ聖堂前のサント広場に設置。
Donatello(1386頃~1466)は、イタリア・ルネッサンス初期の彫刻家。ガッタメラータ(1370-1443)は、ヴェネツィア共和国の傭兵隊長。その名前は、老獪を意味するトラ猫やブチ猫のことであだ名だった。本名はエラズモ・ダ・ナルニ。そんな男の面構えを造形したドナテッロの傑作。

3回:
終了しました。
2018年10月17日(水)
内藤春治《壁面への時計》

アール・デコって何なんだ? 95年前(大正時代末)の日本人も、パリから伝来したアール・デコを見て、こんな疑問をもちました。そのとき先陣を切って日本のアール・デコを造形したのが内藤春治でした。この《時計》は、その彼の代表作です。今回は、内藤春治がこういう形にまとめ上げるまでの苦労話、そしてこれを発見するまでの私の苦労話をいたします。

1926年制作、蝋型鋳造、8回帝展出品(1926)東京国立近代美術館工芸館蔵
内藤春治(1895~1979)は、盛岡出身の鋳金工芸家。東京美術学校で指導を受けた津田信夫の感化で、逸はやく日本美術にアール・デコを取り入れた。その表現力は、パリのアール・デコに勝るとも劣らなかった。1932年から1962年まで母校で教職を務めた。

4回:
2018年12月5日(水)
ジョット《聖人フランチェスコの生涯 28場面》

13世紀末制作、フレスコ、サン・フランチェスコ大聖堂、アッシジ


13世紀末制作(28場面)、フレスコ画、サン・フランチェスコ大聖堂、アッシジ
写真はサン・フランチェスコ大聖堂が発行する案内書。右はシモーネ・マルティーニの描く《聖フランチェスコ》。左はジョットの描く聖フランチェスコの《小鳥への説教》。
Giotto di Bondone(1267頃~1337)は、中世後期に活躍し、その人間味のある容貌表現によって、イタリア・ルネッサンスを切り開いた画家。

5回:
2019年2月6日(水)
アンドリュー・ワイエス《クリスティーナの世界》

1948年制作、 テンペラ、パネル、ニューヨーク近代美術館蔵

1948年制作、テンペラ、パネル
ニューヨーク近代美術館蔵
写真はニューヨーク近代美術館での展示情景。なぜか階段近くの壁に掛けられている。
Andrew Wyeth(1917~2009)は、ヨーロッパ近代の芸術思想や様式にとらわれることなく、アメリカ東北部に定住した移民たちの生活感情をたんねんに描出した画家。

場所:東京都庭園美術館敷地内 レストラン デュ・パルク
時間:各回 14:30~16:00(90分)
講師:東京都庭園美術館館長 樋田豊次郎
定員:各回40名(先着順、定員に達ししだい締め切らせていただきます)
参加費:1名様 1,200円
※展覧会の招待券、年間パスポート、庭園パスポートをお持ちの方も同額です。
第4回以降は、それぞれ1ヶ月ほど前に募集を開始します。

注意事項:
・受講者は当日の受付後、当日開催中の展覧会(含:庭園)にご入場いただけます。
・お電話、FAXではお申込できません。
・キャンセル待ちはできません。
・当日欠席される場合は、開始20分前までにご連絡ください。

お問合せ先
東京都庭園美術館 事業企画係 館長講座担当
Tel 03-3443-0201 Fax 03-3443-3228
E-mail:info@teien-art-museum.ne.jp

講師紹介

東京都庭園美術館館長 樋田豊次郎
1950年生まれ。1979年より東京国立近代美術館工芸館に勤務。2007年に秋田公立美術大学理事長及び学長に就き、16年から東京都庭園美術館館長。日本ならではの造形芸術として「工芸」の再評価を試みてきた。主な展覧会は「ヨーロッパ工芸新世紀」(1997)、「工芸の領分」(1994)等。著書は『明治の輸出工芸図案-起立工商会社工芸下図集』(1987)、『工芸の領分-工芸には生活感情が封印されている』(2006)他多数。