コレクション Collection

東京都庭園美術館では、建物公開事業に活用するため、旧朝香宮邸やアール・デコ様式との関連を有する美術品や資料を収集・保管しています。このページでは、東京都庭園美術館が収集・保管している美術品・資料等をご紹介しています。
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In its quest to put the Former Residence of Prince Asaka to its best possible use, the Tokyo Metropolitan Teien Art Museum is engaged in creating and maintaining a collection of artworks and documents pertaining to Art Deco and the Residence itself. The Collection is a database listing the materials and artworks in the Museum’s collection.

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作品情報Identification
  • 作品名 Title :

    椅子

    Chairs

  • 作者 Artist :

    アンドレ・グルー(デザイン)、マリー・ローランサン(絵付)、アドルフ・シャノー(制作)
    Designed by André Groult, backrest painted by Marie Laurencin, made by Adolphe Chaneaux

  • 制作年 Date :

    1924年
    1924

  • 収蔵番号 Collection Number :

    2015-0716-01

  • 数量 :

    2

  • 素材技法 :

    黒檀、鼈甲、ファブリック(ボーヴェ織物工房)、真鍮

  • タグ :

    1920年代 / アール・デコ / 調度 / 家具

作家解説

アンドレ・グルー(André Groult, 1884-1966)
ソルボンヌ大学で化学を専攻した。1907年にポール・ポワレの妹で自身もファッションデザイナーであったニコルと結婚し、アンティーク家具や室内装飾の仕事を始めるようになった。1910年に装飾美術家協会のメンバーとしてサロン・ドートンヌに出品し、デザイナーとしてのキャリアをスタートさせた。象牙や鮫皮などのエキゾティックで豪華な素材をよく用いた。マリー・ローランサンやシャルル・マルティン、ジョルジュ・デスパーニュ、ピエール・ラプラド、ポール・イリーブらと協働し、彼らはグルーの室内装飾のために一連の絵画や壁画の制作を請け負った。1925年のアール・デコ博覧会でのフランス大使館パヴィリオン《婦人用寝室》に関わり、高い評価を受けている。

 

マリー・ローランサン(Marie Laurencin, 1883-1956)
リセで学んだ後、陶磁器の絵付けや素描を学び、画塾でジョルジュ・ブラックや、ジョルジュ・ルパープらと知り合う。1907年頃からサロン・デ・ザンデパンダンに出品をし始め、アポリネールやピカソらと交流を深める。1912年にはキュビストが集まった「セクション・ドール」展やサロン・ドートンヌの「メゾン・キュビスト」に参加。その中心となったアンドレ・マールの装飾する室内にはその後も作品を提供し、ニコル・グルー(ポール・ポワレの妹でアンドレ・グルーの妻)と知り合い親しく交流する。1914年ドイツ人男爵オットー・フォン・ヴェッツェンと結婚、第一次世界大戦勃発に伴いスペインに亡命する。1921年に離婚。1924年にバレエ・リュスの依頼で《雌鹿》の舞台装置と衣装装飾を行う。1925年のアール・デコ博では、フランス大使館パヴィリオンにおいて、アンドレ・グルーやスー・エ・マールの手がけた室内に作品を提供した。

 

アドルフ・シャノー(Adolphe Chaneaux, 1887-1965)
フランスの高級家具職人(エベニスト)兼室内装飾家。アンドレ・グルー、ジャン・ミシェル・フランク、ジャック・エミール・リュールマンらと協働し、彼らのデザインによる家具製作を数多く手がけた。

作品解説Descriptions

本作は、デザインをアンドレ・グルーが手がけ、制作をアドルフ・シャノーが行った。背もたれ部分は、マリー・ローランサンによって薄い着色で花のブーケが描かれている。木部には黒檀、背もたれには鼈甲など、貴重な素材が用いられている。
この椅子の同型モデルは、1924年パリ装飾美術館で開催された椅子のコンクールにおいて、三等賞を獲得している。発表当初、座面部分は薄いサテンの布地が貼られていたが、その後ボーヴェの織物工房の職人により、花柄の座面が制作された。1925年1月号のアール・エ・デコラシオン誌掲載のMarcel Webarによる紹介記事の中に、サテンの状態の図版が掲載されている。また、その後グラン・パレで開催されたボーヴェ織物工房の展示会において、座面にファブリックが施されたものが出品されており、画像右手のピンク地の座面と同様の模様が確認できる。

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