中央階段は1階大広間から2階の広間へ通じ、朝香宮邸当時はパブリック・スペースからプライベート・スペースへの階段でした。2階広間には作り付けのソファーがあり、ピアノが置かれ、ご家族のくつろぎの場となっていました。階段は外国製大理石を用い、手摺りのデザインはアール・デコの特徴であるジグザグ模様が強調されています。
階段手摺りの嵌めこみ金物はブロンズ製銀イブシ彫刻仕上げで、ホール照明柱、天井照明と同様にアール・デコ特有の幾何学的花模様で統一されています。照明柱の付け根部分には花を飾ることができるように水盤が備え付けられるなど、細部にわたって意匠を凝らした設計となっています。
(設計:宮内省内匠寮)