パリに咲いた古伊万里の華−日本磁器ヨーロッパ輸出350周年記念−
10月10日(土)−12月23日(水・祝)

 江戸時代、鎖国下の日本にわずかに開いた窓「長崎」からは、世界に向けて日本文化が豊かに発信されました。その代表例である今日「古伊万里」の名で知られる輸出用に焼かれた磁器に焦点をあて、パリを中心にヨーロッパで蒐集された選りすぐりの作品約200点をご紹介します。2009年は、オランダ東インド会社による本格的な伊万里焼きの輸出が開始されてから350年目にあたります。本展はこれを記念し、中国の模倣にはじまった輸出初期の寛文様式から、柿右衛門などの色絵が好評を博する延宝様式、宮殿装飾のための大型の壺なども焼かれた、豪華な金襴手[きんらんで]による元禄様式と、時代につれて変化、発展した古伊万里をご覧いただきます。また、ヨーロッパの王侯貴族に愛され、その趣味を強く反映した少し風変わりな古伊万里も今回の見所の一つです。

  本展では日本と西洋の文化交流と融合の過程を、海を渡った古伊万里から感じていただくことができるでしょう。