国立エルミタージュ美術館所蔵
エカテリーナ2世の四大ディナーセット ヨーロッパ磁器に見る宮廷晩餐会
2009年4月16日(木)−7月5日(日)

 女帝エカテリーナ2世(1729−1796)の時代、ロシア宮廷では君主の威厳と崇高さを演出する工夫が様々に試みられました。女帝は衣食住にわたって「エルミタージュ・エチケット」と呼ばれる礼儀作法を厳格に規定し、宮廷儀礼の形成に大きな影響を与えました。文化的な成熟度を内外にアピールする場でもあった晩餐会では、その場を構成する全てがひとつの芸術と見なされ、料理はもちろん、テーブルセッティングや室内装飾、列席者の衣装に至るまで、当時最高の質と内容が求められていました。女帝は特別な招待客のために、西欧各国の王立窯や伝統窯に特別なディナー・ウェアを発注し、卓上を豪奢かつ華麗に彩らせました。当時たいへん貴重であった白く輝く磁器を贅沢に使用した晩餐会は、女帝の財力や権勢を誇示する絶好の機会でもあったからです。

 本展では、日本初公開となるベルリン王立窯の《ベルリン・デザート・セルヴィス》や、愛人ポチョムキン公のために注文されたセーヴル窯の《カメオ・セルヴィス》など、エルミタージュ美術館の所蔵品より4つのディナー・セットのコレクションを選び、女帝エカテリーナ2世の生涯と華麗なる18世紀ロシア宮廷生活をご紹介します。