開館25周年記念
1930年代・東京 ─ アール・デコの館(朝香宮邸)が生まれた時代
 2008年10月25日(土)〜2009年1月12日(月・祝)

 東京都庭園美術館は本年、開館25周年を迎えます。先の20周年展では宮邸建設に関わったフランス人装飾美術家の調査をまとめて構成しました。これに続き本展では宮邸が建設された〈1930年代・東京〉に軸を移します。通信手段や交通の発達、生活の近代化、女性の社会進出など、今に至る近代生活のはじまりであった当時の東京の風景を写し取った絵画、写真、絵葉書などにより、東京の都市生活文化を幅広く紹介します。さらに30年代の東京にみられる建築、日用品、ファッション、広告デザインなどを取り上げ、モダーンと呼ばれアール・デコがどのように広く街中で受容されていたかを示します。また朝香宮邸の設計を担当した宮内省内匠寮の技師たちの仕事にも着目し、特に和風アール・デコ様式の卓越した仕事と、本場アール・デコの家具等からの影響を検証します。
 1930年の時代相と宮邸における宮内省内匠寮の仕事を併せて提示することにより、旧朝香宮邸の特異性と同時代性を明らかにしようとするものです。