だれも知らなかったアルフレッド・ウォリス-ある絵描きの物語-
Alfred Wallis : Artist & Marin
2007年2月3日(土)- 3月31日(土)

 アルフレッド・ウォリス(1855-1942)は、イギリス、コーンウォールの港町、セント・アイヴスで船具商を営み、70歳になってから独学で絵を描き始めた異色の画家です。その発見のきっかけは、1928年、セント・アイヴスを訪れた二人の画家、ベン・ニコルソンとクリストファー・ウッドが偶然ウォリスの家の前を通りかかり、壁に掛かった彼の絵を眼にしたことによります。その作品は船乗り、船具商としての前半生を反映するように、荒海を航行する帆船や蒸気船、灯台、セント・アイヴスの港や街の情景などを、ボール紙の切れ端や板に船舶用のペンキで描いたもので、現代の美術が失った素朴な味わいに満ちています。

 本展ではケンブリッジ大学、テート・ブリテン等が所蔵するウォリスの絵画・素描約80点、ニコルソン、ウッドの作品約10点、関連資料により、その生涯と芸術の全体像をわが国で初めて紹介します。
ロマンティックな情感に溢れた船の浮かぶ海景や、愛らしい動物や鳥、小さな家が描き込まれたセント・アイヴスの風景は、多くのひとの心を捉えるに違いありません。

First retrospective in Japan of one self-taught artist. The work of British artist Alfred Wallis (1855-1942) who was formerly a mariner before he started painting at the age of 70. Often painted on cardboard and boards, his pictures all emanate an exquisite, naive style.