庭園植物記  
  2005年9月3日-11月6日

 庭園美術館にとって、多くの植物たちに囲まれた広大な庭はたいせつな構成要素であり、建物(旧朝香宮邸)の装飾にもいくつもの植物のモチーフを見ることができます。美というものを考えさせる植物という身近な存在は、古くから芸術表現の重要なテーマでした。

  本展は、あらためて日本における植物表現に焦点を絞り、自然観察と写生態度に基づき、描き出された幕末期の植物画から、植物をとらえた現代の写真作品までを展示します。そこには芸術性を追求した作品だけではなく、植物の真の姿(本質)に迫ろうとした植物学研究のために制作されたものも含まれます。また、生け花という日本独自の文化に魅せられて、その姿を残そうとする芸術家もいました。展覧会では、絵画、写真、彫刻、工芸など様々なジャンルの作品を通して、近代以降の造型表現において、植物がどのような存在であるのかを明らかにします。
  また、展覧会会期にあわせ、美術館の庭園では珍しい「変化朝顔(へんかあさがお)」を栽培します。様々な形に変化した朝顔の姿を、展示作品とともにお楽しみください。