エミール・ノルデ
 2004年9月18日(土)−11月7日(日)

 ドイツ表現派のエミール・ノルデ(1867-1956)は、色彩豊かな水彩画や版画にすぐれた作品が多いことでも知られています。
デンマークとの国境付近に生まれたノルデは、ベルリンなどの大都市で活躍する一方で、生涯にわたって故郷の低湿地帯の独特の風土を愛し、その風景を描き続けました。1927-37年には生地に近いゼービュルに自らの設計で邸宅を建て、以後、晩年までそこで過ごしました。また。第二次世界大戦中には、ナチスから制作を禁じられたノルデが、「描かれざる絵」として知られる水彩画の小品を生み出したのもこの家でのことです。ノルデの遺言に従って、現在では邸宅は季節ごとにさまざまな花が咲き乱れる庭とともに公開され、ノルデ作品の質量ともに充実したコレクションを誇る美術館となっています。
本展ではこのノルデ美術館の水彩画、銅版画、木版画、リトグラフ121点を、風景、人物、ダンス、花、幻想、「描かれざる絵」の6つのテーマに分けて紹介します。

黄色と緑による女の肖像 1930年
(c) Nolde-Stiftung Seebüll