日本のジュエリー100年
 2005年2月5日(土)−4月10日(日)

 貴金属で出来た装身具で身を飾る習慣がなかった日本に、欧米からジュエリーが流入したのは幕末のことでした。明治30年に尾崎紅葉の「金色夜叉」が発表される以前から、宝石を留めたジュエリーは人々の憧れでした。奢侈品禁止令や宝石・貴金属の供出など戦時期の大きな打撃によって、忘れがちですが、明治から大正、昭和前期と進むにつれて、日本には豊かなジュエリー文化が形成されようとしていたのです。デザインにはアール・ヌーヴォーやベル・エポック、アール・デコなどそれぞれの時代でヨーロッパの最新流行がいち早く取り入れられ、そこに日本独特の美具を制作する錺師の伝統を引き継いだ高い技術は繊細な造形を可能にしました。

本展では、黎明期にあったジュエリー産業の歩みとデザインの変遷を魅力的なジュエリー作品と絵画や資料を織り交ぜながらご紹介します 。