田原桂一・光の彫刻
 2004年11月20日(土)〜2005年1月23日(日)

 1970年代初頭よりパリを拠点として活躍する田原桂一は、自室の窓から見えるものを写真に撮ることから、作家活動をはじめます。そして、写真を印画紙の上に印画するだけではなく、大理石やガラスといった素材の上に印画することで、光の記憶や痕跡を探ることを試みています。次に、光を見つめることにより、対象物に反射した光を捉えるのではなく、光の形態そのものの探求へとつながっていきます。彼の意識の中では、写真という分野を超え、都市空間での光の設置を実現してきました。これらの「光の彫刻」は、光に物質性を持たせるために光を解き放ち、その光は照らされたオブジェと合体して、新たな意味を顕在化させていきます。
こうした作品は、パリ市のサン・マルタン運河。パリ市のヨーロッパ写真館の前庭、日本では北海道の恵庭など、多くの場所に設置されています。

本展では、東京都庭園美術館の館内や庭園を使い、「光」を用いたインスタレーションも展開します。