さわる小さな庭園美術館

この秋のリニューアルオープンに向けて、
「さわる小さな庭園美術館」というツールを準備しています。
東京都庭園美術館の本館(旧朝香宮邸)について、
ここに人が暮らしていた時代に思いを馳せたり
デザインの面白さを発見したりして
一緒に美術館に来た人とおしゃべりを楽しんでほしい―
そのための「カンバセーション・ピース」です。
(*カンバセーション・ピースとは、パーティーなど人が集まる場で
会話を誘発するために用意するもののこと。)

パーツ2

正しい鑑賞のためのガイドや
より多くの発見をするためのヒントではなく、
「これ、何かな?」と会話を生み出すためのデザイン。
そのために、触覚や手を動かすことをとりいれています。
建築素材をナデナデしてさわり心地を確かめたり、
積み木を組み合わせたり・・・。

つみき

でも、子ども向けではないんです。
美術館の中で触ったり、おしゃべりすることに抵抗感のある大人にこそ、
自分の中のモードを変えるために、
ぜひ使ってほしいと考えています。

まだ制作途中の段階ですが、
7月にモックアップ(模型)を使って
ユーザーテストを行いました。

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視覚障害をもつ人、小さなお子さんと保護者、高齢者など
様々な属性の方に
「さわる小さな庭園美術館」を体験してもらいます。
その後、本館の中を実際にまわると
いつもとは違う発見があるようです。

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「えっ?これどうやって組み立てるの?」
たまたま居合わせた小さいお子さんに
教えてもらったり。

ユーザーテストの期間中も、
参加者の方からいただいた意見を元に
随時Quick and Dirtyで改良を加えていきます。

みなさんに楽しんでいただけるよう、
デザイナーと担当者たち一丸となって
頑張っております!
リニューアルオープン後は、
ぜひおしゃべりしに来てくださいね。
(執筆:八巻)

*写真掲載については参加者のご承諾をいただいております。

カテゴリー: ワークショップ&イベント, 美術館

左官入門! ぬった、デコった、ならした!

3月15日、休館している間のプログラムのフィナーレを飾ったのは、
「左官入門! ぬって、デコって、ならして」
左官職人の技を、職人さんに学び体験する硬派な(?)ワークショップでした。
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今回の会場は「芝の家」
港区と慶應義塾大学が共同で運営するコミュニティスペースです。

オープンな縁側が印象的。老若男女、子どもも赤ちゃんもみんな笑顔になる昭和な癒し空間

オープンな縁側が印象的。老若男女、子どもも赤ちゃんもみんな笑顔になる昭和な癒し空間

まずは、庭園美術館が日ごろお世話になっている
伝統技法研究会代表理事の大平茂男さんが、
実際に左官技術が用いられている豊富な例をもとに
熱いレクチャーをしてくださいました。

「左官」とは、ズバリ「コテ」を使う仕事のこと、と大平さん
コテの種類は100種類以上。
漆喰は30分で乾きはじめるので、流れ作業で行うそう。
壁面が大きいほど大変な作業であることが想像できます。
もちろん庭園美術館のことも!やっぱり当時の職人技は凄かった…。

庭園美術館2階の廊下の壁はラフコートという、今は手に入らないアメリカ製の壁材が使われています。

庭園美術館2階の廊下の壁はラフコートという、今は手に入らないアメリカ製の壁材が使われています。

いよいよ左官職人さんの実演。すばらしい技を披露してくださったのは
湯田工業の湯田勝弘さん。

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前述の庭園美術館2階廊下や階段と同じラフコート塗りの技法も披露してくださいました。

前述の庭園美術館2階廊下や階段と同じラフコート塗りの技法も披露してくださいました。

なるほど。
見ていると、何だかできそうな気がする…!

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午後は、いよいよ自分だけの漆喰パネルを作ります!

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ベースは職人さんにきれいに作ってもらい…

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乾く前にデコレーション。材料は小石に、貝殻、ビーズ。模様をつけるのはフォーク。

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ピンポンものっけちゃう??

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大人も子どもも皆集中しています。

大人も子どもも皆没頭中。

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できた!

完成後は自分の作品のプレゼンテーションを行いました。

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1人1人大平さんと湯田さんがコメントしてくれました。
専門家に褒めてもらえて何だかうれしい。

小さい作品は額にはめて、ひとつの作品になりました。

現在は芝の家に飾っていただいています。

現在は芝の家に飾っていただいています。

今までなんとなく周りに存在した“ただの壁”が何だか特別なものに思えてきます。
今回参加してくれた、小さな“見習い”さんたちの中に、
もしかしたら将来の左官職人があらわれるかもしれません。

リニューアルオープン後も、面白いワークショップやプログラムを
色々ご用意して待っています。

*写真掲載については参加者のご承諾をいただいております。

カテゴリー: ワークショップ&イベント

[ワークショップ] Dress up today?―アール・デコの館に出かける日―

やわらかいタッチで描かれた青空と青々と茂った芝生、ピンクのバラと桜の花。
そして、右奥に目を凝らしてみてみると…特徴的な白い建物が!
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実はこの絵、イラストレーターの網中いづるさんに、庭園美術館の建物をモチーフに描いて頂いたものです。
今回は、その網中さんとコラボしたワークショップ「DressUpToday?―アール・デコの館に出かける日―」の開催報告をします。

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カテゴリー: ワークショップ&イベント

失われた壁紙をもとめて(後編)

前編はこちら

その「第三の証拠」とは、殿下書斎(写真下)のデスクの
天板とガラス板の間に挟み込まれていたボード貼りの布。

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調査中の殿下居間の壁紙と同じパターンであることに気がつき、
実際に比較することにしました。
すると倉庫に保管されていた壁紙(前編・証拠其ノ二参照)とは異なる、
淡いグレーの色調ですが、全く同寸のパターンであることが確認されたのです。

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カテゴリー: 改修工事, 美術館

「失われた壁紙をもとめて」(前編)

今回のリニューアルの重要なミッションのひとつは
本館こと旧朝香宮邸の修復と復刻です。
1933年に朝香宮邸として建てられたあと、
様々な用途を経て、だいぶ様変わりしてしまったので、
できるだけオリジナルの状態に戻そう!という試みです。

例えば殿下居間の壁紙。
壁紙なんてあったかしら?
…皆さんの記憶にあるのはこんなお部屋だと思います。

P-036殿下居間南面

実はこの部屋、竣工当時には、素敵なアール・デコ調の
絹織の壁紙が貼られていたのです。

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カテゴリー: 改修工事, 美術館

架空のテイビ 小冊子zineにしてみた!⑩

このワークショップで作るzineの
テーマの案を練っていたとき、
「マイホーム化計画に参加した人たちが、
本物の家族みたいになって
一緒にプランを作れたらいいですね」と
講師のZINGさんが言いました。
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カテゴリー: ワークショップ&イベント

架空のテイビ zineにしてみた!⑨

「こんなところに住んでみた~い」と
自分の部屋にどんな家具を置くのか妄想する。
「でも、こんなところに住んだら掃除が大変」と
現実に帰る。
「掃除はお手伝いさんにしてもらえばいいのよ」と
より現実的に(?)検討する。

東京都庭園美術館では、
来館者の方がこんな会話をしていることが
よくあります。

「架空のテイビ」では、
そんな妄想を全面的に応援します!
ということで4つめのテーマは
「架空のテイビ マイホーム化計画」です。
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架空のテイビ zineにしてみた!⑧

夕方の回の「100年後のテイビブック」は
若い女性の3人組。
初対面とは思えないチームワークで
独特の世界観のzineを作り上げてくれました。

まず3人が考えたのは、
100年後ではなく、今のテイビが
自分にとってどんなところなのか。

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架空のテイビ 小冊子zineにしてみた!⑦

100年後のテイビは、どうなっているのでしょうか?
「100年後のテイビブック」昼の回には、
100年後も見守ることが
できるに違いない、
元気な6歳の女の子2人と2歳の女の子、
そしてそのママたちが参加してくれました。

子どもたちが自由に制作したものを
そのまま活かすため、
このグループだけは特大zineになっています。

2歳ちゃんの100年後のテイビはコチラ。
・・・燃えちゃいましたね(^^;)

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架空のテイビ 小冊子zineにしてみた!⑥

夕方の回の「勝手にテイビ ガイドブック」は
一つ一つのページが
庭園美術館の建物に捧げたオマージュ作品。

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表紙の「朝香宮殿邸」の文字は、この建物の建築図面を描いた技師さんによるもの。
フォント化希望!


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